…といっても私の経験に基づくものであり、誰にでも当てはまる訳ではないと思うが、同じ人間であり身体の仕組み等も同じである以上、応用できる部分も必ず有るはずなので、参考にしてもらえると嬉しい。
まず大切なのは「人間は歯を使って物を食べる」という点だ。というか哺乳類にはどんな動物にも歯があり、生まれたばかりの哺乳の時期を除いて、ほぼ一生涯、食物を嚙み砕く作業を経て栄養を取り込むという方法を採っている。言うまでもなく我々人間も健康でいる為には自前の歯が出来るだけ多く揃っている事、というのは既に一般常識であり誰にでも当てはまるのは間違いない。
また、歯を使って、ゆっくり良く噛んで食べる事で、食事の満足度が上がるし、消化は良くなるし、整腸作用もあるので、翌朝のトイレが格段にスッキリと済ませられる。良く噛む事でトイレでのスッキリ効果が感じられるタイプなら体重減少も‘ほんの少し’かもしれないが期待はできるはずだ。ただし極度の便秘体質の人には多めの野菜摂取や運動も重要になってくる。
更に私の場合、かなりシツコク噛み続けるので「肩こり」がほとんど気にならなくなった、というオマケも付いてきた。噛むのを忘れて慌てて食べる日が2~3日続いてしまうと、またすぐに肩が凝り始めるので、他の人でも効果が出る確率は高い、と思うのだが。
ただ「良く噛む」というのは言葉としてはたった4文字だが、これがなかなかに難しい。噛めば噛むほど“快腸”になり“肩こりが改善する”と分かっている私でも毎日の食事の度に習慣づけるまでに1~2年は掛かっている。
特に、この30~40年は柔らかく口当たりの良い物ほど美味しいとされていて、嚙む力は弱くなり若い人ほど顎もほっそりしている割合が多い。野菜ジュースやスムージーは手軽で美味しくてインスタ映えするのかもしれないが、あくまでも補助的に利用すべきであって、肉や魚と同様に野菜も「歯を使って噛み砕いてから胃に送る」という工程が重要という気がする、特に健康面に留意するのであれば。
健康情報番組などで、よく「ひとくち30回噛みましょう」等と推奨しているが、明確に効果を感じたいなら、私からすると30回では足りないように思うし、口に含む度にまた1から数えなおす、というのは続かない。何より食事が楽しくないし、家族と喋りながらでは数えてなどいられないだろう。私の場合は1人での食事なので家族と喋る必要はないが、うつ病で集中力がないのだから数えながら食べるという同時進行作業が出来るはずもない。
色々考えあぐねて、あれこれ試してみた挙句に行きついたのが、「飲み込まない」と自分に言い聞かせながら食べる方法だ。もちろんコレも最初は上手く行かず、イライラする事も度々ではあったが、きちんと噛めた日の翌朝は、必ずスッキリする。これをやった方が確実に自分が快適だし嬉しいし心地良いのだ、という実績を自分の脳と身体の中に、毎日の食事の度に少しずつ重ねて来た。そういう意識付けを自分の中に習慣として植え付けていく事、自分をより良い状態に持っていく努力というのはとても時間が掛かる。しかし、ほとんどの大人は「根気よくやらなければ身に付かない」と分かっていながら途中で面倒くさくなって諦めてしまう。自分の子供には「ちゃんと続けなさい」とか偉そうに叱りつけたりするくせに。本っっ当に‘大人’って…。
…話を元に戻そう。人間の口の中というのも全員同じ構造なのだから、やってみれば分かってもらえると思うが、意識して食べ物を飲み込まずにいると、口の中の食べ物は当然減っていかない。だから噛む時間も長くなる。それでも更に噛み続けていると砕かれて噛めなくなるほど小さくなった食べ物は自然に喉の奥に流れ込んでいく。「飲み込む」という作業は実はそんなに必要ないのだ。この「飲み込まずに噛む作業だけに集中する」という癖を身に付けてしまえば、後はもうコッチのものである。第6綴に書いた「食前の果物」の段階から是非やってみてほしい。ゆっくり時間をかけて一口ずつ噛みしめながら味わいながら食事を心ゆくまで、たっぷりと楽しむ。これは精神面でも身体(体調)面でも良い効果がきっとあると思うのだが、どうだろうか?
ここからは更に重要でありながら、人によって、当てはまるかどうかが別れていく内容になると思う。というのは「歯と顎」という人体構成要素が「睡眠」や「健康」と切っても切れない関係にあるという確信が、私の個人的経験から来ているからだ。
「顎関節症」という疾患名を聞いた事がある人は結構多いと思うのだが、どんな症状なのかまで知っている人はどのくらいいるのだろう。もし現時点で既に顎関節症との診断を受けている人は、上に書いた「良く噛んで食べる」を実行する前に「口腔外科」の表示のある歯科医院を受診して相談してみてからの方が良いと思う。
私も自分の顎や嚙み合わせに問題があるなど全く考えた事もなかったのだが、最初は定期歯科検診で診察してもらっている時、治療器具で歯を押されたか何かの時に「顎が疲れるので、もう少し軽めに」等とお願いしたのがきっかけだったと思う。その時の担当歯科医にしてみれば、それほど力を入れているつもりはなかったのだろう。
その後「食事の時に顎関節(こめかみの下・耳のすぐ前の辺り)からパキパキとか音がしませんか?」とか「夜寝ている時に‘歯ぎしり’していませんか?」など、全く思い当たる事のない質問を幾つか受けたのは、薄ら覚えている。しかし更に詳しく話を聴いていく内に、八重歯があるなど歯並びに問題があるし、歯そのものはシッカリしていて丈夫だから自前の歯で一生食べていけるように、少しでも若い内に歯列矯正をしてみませんか?と勧められたのだ。
若いといっても、その当時私は30歳をちょっと越えたぐらいだったと思うのだが、ちょうどその時パートタイムの仕事を始めてから1~2年たった頃で多少の貯金があったし、金額的に高くても将来の自分の健康に自己投資するつもりで、顎関節症について全く理解なんてしていなかったのだが、思い切って、ブラケットと呼ばれる銀色の3~4㎜ほどの部品を全ての歯の外側に取り付ける、あの‘苦行’に取り組む事にした。事前に50万円近くを2回に分けて支払い、その後5年間・毎月二回通院するごとに5千円+消費税で総額約100万円。しかもワイヤ―で締め付けるのだから、最初の1~2年は口の中がずっと痛いようなムズムズするような違和感が24時間続く訳で、慣れるまでは本当にキツかったし、途中で何度もやめたくもなった。
今にして思えば大金をかけてでも、あの苦行に耐えておいて本当に良かったと思う。20代後半の頃、私は時々頭痛に悩まされていたが、矯正開始後は一度も症状が出ていない。自分で気付かなかっただけで、やはり睡眠中に歯ぎしりをしていて、その歯ぎしりが顎に負担をかけており頭痛という症状で現れた、という結論で間違いないと考えている。そして歯ぎしりは、ほぼ100%ストレスが原因と言われている。もちろん歯列矯正が済んだ後もストレスがなくなることは当然あり得ないので、歯ぎしり対策として夜は就寝前に必ずマウスピース(歯科ではナイトガードとも言う)を上下の歯に一つずつ付けるのが習慣となって、もう20年になる。この習慣を身に付けておかなかったら、私の‘うつ病’は更にもっと治りづらくなっていただろう。
この他にも「上手に眠るための方法」として、就寝前に翌朝にかけての天気予報を観て、それによって寝具の種類を変更するようにしている。特に今頃のような季節の変わり目は、毎晩の天気予報も大切だが、自分の部屋の室温や湿度との兼ね合いも考えねばならない。扇風機はもちろん、台所の換気扇も使い方によっては湿度を下げる事も可能だ(部屋の間取りにもよると思うが)。冷房も暖房も使わない今頃の時期でも室内は意外と暖かく、明け方に外気がグッと冷え込む時に室温も急に下がって目が覚めてしまう、というのは誰しも経験があるはずだ。特に夜間の15℃~25℃というのは体感温度の個人差が大きい温度帯のように思う。つまり15℃以下なら大半は寒いと感じるし、25℃以上なら大半は暑いと感じるが、そのどちらでもない中間温度帯は体型や体質・暑がりか寒がりかで、半袖か長袖か?肌掛けやタオルケットにするべきか毛布の方が良いか?などを一人一人が個別に考える必要があるし、迷った時は手近な場所に両方置いておく方が、一度目が覚めてしまったとしても再入眠できる確率が高くなる。
関東地方の真冬なら毛布と布団(羽毛布団は使った事がないので分からない)の組み合わせで概ね用は足りるだろうし変更する手間も要らないと思うが、朝起きたら出来るだけ早い内に、掛け布団の身体に当たる側を上にして“室内”に放置しておく事を習慣にすれば湿気を逃がす事が出来て、毎晩快適に眠れる、という事に気付いたのは去年の冬だ(既に当たり前にやってる人も多いのかもしれないが)。これまでは冬でも汗をかくのは私が特に暑がりなせいだと思っていたが、単に私が布団の扱い方を分かっていなかっただけらしい。
またベランダなどに普通に干すのも良いが、最近は直射日光に当てると材質が劣化するという考え方もあるし、花粉の時期は当然外には干したくない。何より精神疾患持ちにベランダまで布団を運ぶという作業が出来るはずもないし、部屋干しの方が断然楽ではある。
そして夏場の夜間は27~28℃くらいに設定した上で「エアコンを一晩中つけたままにしておく」というのが一般住宅では、やはり正解のようだ。ただ私はエアコン嫌いというか、今まで電気代増加が怖くて「つけたままにする」というのに慣れていないので、今年は自分に合った温度を確認しながら使っていこうと思っている。
因みに現在私が住んでいる部屋のエアコンは2005年製で、エアコン使用分の電気代と思われる去年夏場の増加額は1ヶ月3000円くらいだった。ただし昼間はあまり使わず夜間も一週間に一日くらいは使わない日があったので、夜間のみ使用で29~30℃くらいに設定の上であれば一晩中エアコンを“毎日”使っても、5000円くらいで済むだろうと予測している(もちろん機種や製造年によってかなり変わるはずだが)。
メチャクチャ大雑把すぎる計算ではあるが、やはり熱中症で救急車で運ばれて医療費が余分に掛かったり、仕事を休む羽目になって給料が減ったり、部屋で死体で見つかるような危険を冒すよりは、普通に電気代を余分に数千円払う方が得策であり、誰にとっても一番簡単で安心な方法だ。
更に私の経験として、夜間しっかりと7~8時間眠れていれば、外気温35℃くらいまでは体力的にそれほどツラくはならない。逆に言えば日中外気温33~34℃が2~3日続いただけですぐ夏バテする人は、自分の睡眠に問題があると思った方が良い、…と思うのだが。(←この文に関しては私の個人的見解で、少なくとも2~3日は続けて夜間に十分な睡眠がとれているという前提での話だ)
元々は生活費節約と深夜の尿意調整の為ではあったが、緑茶や紅茶も一切やめて「湯冷まし」一択にした事で、やはり睡眠にも良い影響があるような気がする。インスタントコーヒーも時々は飲むが夕方前までと決めている。しかし湯冷ましだけではやはり物足りないので、睡眠の状態が改善されれば、お茶の類も再開しようと思っている。
また医療専門家や医療情報のほとんどは寝床でのスマホはもちろんテレビやパソコンを観る事も、できれば就寝2時間前からやめる事を推奨している。ただし私の場合はデジタル端末を観ないでいる方が余計な考え事をしてしまって眠れない事の方が多いように思うので、がっつりスマホは観ている。今の所それでも熟睡感はあるし、うつ症状も間違いなく軽くなって来ている。しかし今後「睡眠負債」が減ってくれば、この習慣も改めるべきかもしれない。
結局、何が言いたいのかというと「自分の好み・体質に合った寝具や睡眠環境を自分で考えて試して選ぶ」必要があるし、好みや体質は意外と変わるという事も考慮に入れながら「自分の睡眠」について真剣に考えてほしいのだ。「睡眠」は健康の為でもあるが何より快適で心地よい幸せな自分になる為なのだから。
裕福でもなければ専門的知識がある訳ではない私でも、これだけの手間暇と金銭を費やしているのに、私より経済的にも精神的にも余裕を持っているはずの人たちが「睡眠」について何故すぐに諦めてしまうのか不思議でならない。確かに年齢が上がるほど眠り難くなっていくのは誰にでも当てはまるようだが、医療専門家の意見を聴き入れて上に書いたような努力をコツコツと続けた結果、半世紀以上生きている‘うつ病’持ちの私が毎日平均7時間以上は眠れるようになっている。
結局「眠れない」を免罪符にしているだけではないのか?
第5綴に書いた①と②の人々の様子をずっと伺っているが、おそらく眠る為の努力について何らかの工夫もしていないし、睡眠障害が専門の病院にも行ってないという気がする。私の立場からすれば「睡眠について正面から取り組もう」という気概が見られない時点で反省するつもりが無い、としか見えないし、心の底から「悪い事をしてしまった」とも思ってないのだと判断するしかない。「こーゆー人たちが、世間的には頭が良くて気配りが出来る人、と見られているんだ…。ふ~~~ん」というだけの話である。
……もう私がやるべき事はやった。後は本人の問題だ。そもそも赤の他人に信用やら期待やらをかけている時点で、私が悪いのだから。
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